愛を乞う人から振りまく人へ — 鳳雛から鳳凰へ、静かに大きく羽ばたく飛鳥

乃木坂46のあしゅことあしゅりんこと最近はあすかちゃんこと齋藤飛鳥ちゃんのことを
熱をこめて書こう書こうと思っている内に
はや7ヶ月も経ってしまっているのを、何とはなしに心苦しく思います。
でも同時に、こうして久々に書こうとしてみれば、
そこには喜ばしく採りあげられるトピックがたっぷりとあり
それは取りも直さずあしゅがより強く大きくなったことを示しており、ファンとしては嬉しい限りです。



あしゅといえばななみ(橋本奈々未)、あしゅといえば「ななみは俺の嫁」、で夙に有名でしたが
最近ではあっしゅんきんちゃんと呼び合うきいちゃん(北野日奈子)とのイチャラヴでも有名です。
ボクがその萌芽を感じて「おやっ!」と思ったのは
14/07/13の『乃木坂って、どこ?』第142回「乃木坂46 頭NO王決定戦!」で
Aブロックの勝ち抜け対戦中、隣り合った解答席で頻繁にひそひそ相談を交わしているのを観てでした。



その後のあっしゅんきんちゃんのラヴラヴっぷりは
到底「ビジネス」とは思えない危険なレヴェルに達してもいるのですが、
同時にそれは、ななみ一筋だったあしゅに
「愛を欲し、乞う人」からの脱却と
自分の内なる「愛する力」の発見、そしてその発見の歓びをももたらした、という気がします。
さらにその日々拡大する延長線上で、先入観を乗り越えての愛することへのトライアル多々を経て
今あしゅはかつてない程の大きな自信と落ち着きを得て
それを土台としての、より広くより遠くへの手伸ばしを猛る勢いで始めているのです。
7th以来「選抜」に入っていない、なんてこととは無関係に
マルチ・パレット、マルチ・タスク、オールマイティの乃木坂46の
メンバー個々の個性の活きる、無理なく自然で、それでこそ/ならではのパワー。
乃木坂内序列に依拠する必要もない驚異の成果の形を代表するものに
現在「アンダー」であるあしゅの活躍は映るのです。



もう随分旧い話になりますが、振り返るに2014年4月、
『氣志團現象2014 極東ロックンロール・ハイスクール 第弍章 #34』において
乃木坂バンド:『乃木團』であしゅはドラムを務め、
その華奢な身体に似合わぬ腰が入ってタメの効いた重くファンキーなドラミングで
ファンのみならず対バン企画主体:氣志團のプロの方々からもお世辞抜きの賞賛を受けました。 ※1
それはあしゅにとって
「自分であること」以上に「自分がやること/やったこと」に対しての評価であったため
ことさらに嬉しいものであったらしく、
その歓びをブログで次のように表しています。

「胸を張れる特技や趣味もなく、
 誰よりもこれが好き!って誇れるものもそんなにないし、
 いつも中途半端で、飽きっぽくて、

 そんな私が、こんなに夢中になれたんです」 ※2

あしゅの志向やヴィジョンとは無関係に
そのロリーティーなルックスと喚起される純潔少女幻想を愛する少なからぬ「齋藤飛鳥ファン」。
そういう人たちのそういう意向に依拠しない「胸を張れる、夢中になれること」ゆえの実績は
あしゅに多大な自信と達成感と先への展望をもたらしたことでしょう。



2014年7月スタートのウェブ配信番組:楽天SHOWTIME 『のぎ天』は、
旧き良き『乃木坂って、どこ?』のロケ企画をアンダー・メンバーで再現するような
和気あいあい、いい意味でグダグダ、出たとこまかせ、したがってメンバーの「素」が観れる
好企画なのですが、
ボクがその初期で殊に「おやっ!」と気に留めたのは
第8回の「10th新アンダーメンバーで夏合宿!(2)」の肝試し回。
E班:大和里菜・齋藤飛鳥・北野日奈子の3人はみんなかなりの怖がりで
かなりの笑いと微笑ましさを提供するのですが、
白眉にして瞠目すべきニューあすかちゃんが見れるのが
ゴール地点で石像から花火を回収してゲーム・クリアとなるシーン。
齋藤「みんなで一緒に行こ」
大和「絶対何かされるもーん!」
齋藤「もうされよう、じゃあ、されようみんなで」
結局は皆がビビるあまりグダグダが続きすぎて、脅かしでギャーッで終わるのですが、
ここのあしゅの発言は
"どっちみち何かのビックリ仕掛けで怖い思いをして終わるんだから潔く早くやっちゃおう!"
みたいな前向きな強さが感じられ、同時にそれがプログレッシヴな不条理ギャグとも聞けて
か弱さと気の強さと責任感とシャレ意識を併せ持つあしゅの魅力フル発揮と感じました。



おそらくは『プリンシパル trois』やアンダー・ライヴという「生」の現場で
心中でひっそりと、もっとやれた筈という反省と復習によって培われたであろう
あしゅのベシャリ・廻しへの向上心とポテンシャルが
2014年9月末より7代めMCを務めることになったラジオ番組『乃木坂46の「の」』で
フル・スロットル、フル・スペクトルで花開きます。
"ちっちゃな妹分あすか大丈夫かなー?" とばかりに珍しく送られたななみん&まいまい(深川麻衣)
をゲストにMC第1回(番組第78回)を上首尾に終えたあしゅ。
ところが回を追うごとに、その変幻自在、イジりもイジられも爆笑もしんみりも両方OKという
あしゅの素と芸がダブルで活きた絶好調が加速します。
中でもボクが、もう何十辺も聴き直し、それでも未だ飽きない傑作回は
第86回のきいちゃん&まいちゅん(新内眞衣)回と
第89回のみおな(堀未央奈)&さゆりん(松村沙友理)回。
その「神回」っぷりは次回以降惜しみなく紹介するとして、
今ここで特筆しておきたいのは
接点が元々多い/少ない、よく一緒にいて仲良くしてる/それほどでもない、歳が近い/離れている
みたいな単純な図式では測れない、あしゅの喰いつかんばかりの人への興味で
ゲスト・メンバーの誰彼を問わず常に高密度のおしゃべりの楽しさを提示できているという驚異。
ある意味「アイドルのラジオ番組」を成立させるために必須&命綱であった筈の各種コーナーは
いまやあしゅの自由自在の、ノリのままに際限なく拡げていく雑談リードで半分立ち消え、
終わってみると "笑った笑った、めっちゃしゃべったねー" とメンバーも満腹して帰っていくという
娯楽ラジオ番組の粋を見せているほどなのです。



まずは おいらの民よ!
真っ新の天下を切り拓いたのはおめえらだ! こんな所で死ぬんじゃねえぞ!
おいらの天下はおめえらの熱い心を燃やし尽くせる処!
天寿を全うできる天下だ! (劉備)

劉備殿!
長い 長い道程でございました (趙雲)
— 『蒼天航路』 その二百三十六 より



前回エントリでボクは、
" 今、なぜだか1期生/選抜の「有力」メンバーが
輝かしい外見上の快進撃にもかかわらず奇妙にもある種の「疲れ」を見せているらしき様子 "
と、一種酷で無体なことを書きましたが、
それはボクが受ける自然かつ目をつぶれない拭い切れない正直な印象です。
"これもこれも、あれもそれもやった、やった、精一杯やった。それでもまだ足りないの?"
"あれとあれとあれ、手応えあったと感じた。でも返ってくる「評価」はこれだけなの?"
みたいに「選抜常連メンバー」たちが感じることがあったとしても
不思議ではないし、責められるべきことでもありません、誰だってそう感じてしまうでしょう。
でも、全乃木坂メンバーの中には、そしてメンバー個々の心のどこかのタフな一部には
"やってやる、やってやる、叩きのめされるような気分をいくら味わったってやり続けてやる!"
という、頑ななまでに硬く研ぎすました、凍れる炎のようにけっして消えない熱情がある筈。
AMラジオ、数局ローカルというビハインドを背負いつつも
驚くべき楽しさの乃木坂流ニュー・ウェイヴを思いがけず巻き起こしたあしゅのMCに
「負けようがないゆえに最後には必ず勝つ乃木坂」を、ボクは改めて感じさせられたのでした。



っと、まだ「愛を振りまく」が十分に出ていませんので
その辺を近々合わせ技でまた1本の予定です。



※1
ごめんねブログ書く タイミング間違えち ゃって、ここ数日い ろんな事あって充実 しすぎて、全部をい っぺんにブログに書 くととんでもなく、 今までにないくらい 、あり得ないほど長 くなってしまうので 、取り急ぎ? 昨日 のことを書きたいで す! 全握とアンダ ーライブについては 、考えたいこともち ょびっとあるので、 ゆっくり考えながら まとめたいの! だ から次に書くね? そんなこんなでやっ ぱりチョコチップの パンがおいしすぎる ...! レンジでチン するとより美味しい よ... パンがちょっ と | 乃木坂46 齋藤飛鳥 公式ブログ より
"綾小路 翔さんが
『 齋藤飛鳥さんのドラムにはぶっ飛んだ。
あの極細腕でビスタライト鳴らすとか、衝撃的過ぎ。(一部抜粋) 』
ドラムの叶 亜樹良さんが
『 齋藤飛鳥さんのリズムキープは完璧だった。最後には立ってスティックを回すという...見習わねば! (一部抜粋) 』
こんな風にTwitterに書いてくださいました!"

※2
同上ブログ記事より








  

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