運営は退いた、乃木坂派は勝った

時間がもったいないなーって気がして、いっそ書かずに済ますか、とも考えたんですが
取り急ぎ9th選抜発表に関して。
いくつもトピック/エントリ案が浮かぶ中からまずは第1弾として今エントリ。
他に次のようなトピック/エントリ案も浮かびましたが、
たぶん飛ばしてどこか他のエントリに収束するいちパートになるでしょう。
・"いろんな意味での節目"とは?
・"自分の武器"とは?
・まいやん、参謀/勇将として名乗り挙げ
・"乃木坂が好きである"とは本当はどういうことなのか?



タイトルに冠したとおり、ボクは今回の9th選抜発表 —
2014/05/11、第133回『乃木坂って、どこ?』に見られるすべてが
「運営」が退き「乃木坂派」が勝ったこと、
小さいながら、痛み分けながらの「勝ち」を示すもの、と観ます。
端的にさっさと言えば
SKE48/AKB48からの兼任交換留学生:松井玲奈ちゃんは
センターでもなく、センター左右脇でもなく、序列で言えば3番手にとどまり、
それ自体がもう
「運営」もしくは「大運営」「超運営」が一歩も二歩も退いた、ということを示している、
と観るのです。
その場合、いわば「譲歩を勝ち取った」のは「乃木坂派」 —
つまり乃木坂46寄りの運営一部、乃木坂メンバー、乃木坂ファン、
そしてなんなら、直接の利害関係こそないものの親乃木坂であるメディア界各者をも含む
広い意味での「乃木坂派」でしょう。



今回の『乃木どこ』のフォーマット/提示手法自体がもう、すでにして譲歩を示しています。
松井玲奈ちゃんの兼任体制ゆえのスケジューリングがどうあれ、
あの場に生身の彼女がいる場合といない場合、何がどれだけちがってくるか?
乃木坂ちゃんたちは今回、びっくりするくらい淡々と
悔しさで泣きじゃくるような姿を見せることもなく
結構な「序列上位」であるはずの席次1番フロント左端への彼女の投入を受けとめました。
「そのくらい」はもう、2ヶ月以上前から彼女たちもわれわれファンも覚悟していたことだからです。
加えてそれが生身の彼女でなく等身大パネル、VTRでの後付けでの当人コメントで為される。
バナナマン両氏は何のコメントもしない(設楽氏に至っては口をむぎゅっと結んでいます)。
「クッション」が幾重にも効かせてあり、何か他人事、無関係なことのように
スルー可能、受けとめ準備に猶予あり、乃木坂流を通すこと可能な範囲にとどめてあるのです。



8thの「五福神」にも増して広く笑いを呼んだ「十福神」にも同様のことが言えます。
みおな(堀未央奈)の時の「八福神+1」の拡大ヴァージョンとも観れるこの「十福神」なら
そして選抜メンバー枠16+1で17名なら
「松井さん枠で+1、兼任で忙しかろう生駒ちゃん(生駒里奈)枠で+1」と
「福神/選抜枠がなになにのせいで減った、アンフェアだ」という不服・反感への譲歩/懐柔案ともなり、
泣き:泣きの擦り合わせの結果としてのセカンド・ベスト、サード・ベストと取れるのです。



もちろん、乃木坂ちゃんたちは賢いので、そうした「懐柔」ごときで喜びこそしませんが、
同時に「OK、それはそれ。もう決まったこと。自分がやるべきことは変わらない。早く次いこう」
とばかりにポジティヴ方向で燃えています。
メンバーの誰がどう頑張ろうと
「大運営/超運営」「システム」が大資本・大コネクションで仕掛ける大仕掛けには及ばない
というのであれば、
「もうやってられまへん、どうぞご勝手に」という
自暴自棄なネガティヴィティにも繋がりもしようというところ、
一歩も二歩もの妥当な譲歩が観られたため、乃木坂ちゃんたちが今までどおりの乃木坂流で
センター:西野七瀬、飛車角:白石麻衣・橋本奈々未を先陣に
これまでと変わらぬあたりまえの乃木坂流を、しかもより精強で広範な乃木坂流を
通していけばそれでよし、というダメージの少ない活動フォーマットが用意されたのです。



エントリ51:さよならアキモティクス、と言えるその日まで その1 でボクは
"乃木坂のいわば「動きのおとなしい」メンバー各々に至るまで
「新しく、より強い決意」の表明みたいなものが次々に見られました。
髪型の変化のような外見上のものから趣味・特技・関心事のよりつぶさな開陳まで
「わたしをもっと知ってもらいたい、わたしにはもっと持っているものがある」とでも言わんばかりの
いま、ここで、すぐにでもできることを「プロ仕事の」場以外でも出していこう
という決意の表れでしょう"
と書きました。
その動きはその後もますます加速・拡大し、各フィールドで実績・評判にも反映され、
福神問わず、選抜問わず、ひとりひとりが強力な遊軍として軍師/勇将として立ち上がる
血気盛んな猛りで沸騰寸前という望ましい状況に結実しています。
『乃木どこ』放映直後の5/12未明から相次いで更新されたメンバーのブログには
今回の「仕掛け」を物ともしない、上から降ってくる賜り物を俟たない、
自分は自分のやるべきことを自分なりに考え勝手にやり続けてやるだけだ、という
不退転の決意が隅々まで見られました。
自力だけでは如何ともし難いと見做されがちな「アイドル仕事」の個々のディヴィジョンで
メンバーの熱意と努力と素養とヴィジョンが運営直近各部をも突き動かし、
できないはずのこと、できてもペイしないのでやられないはずのことが可能になってきています。
そんなメンバーたちにとってであれば、もうあの仕掛け騒ぎも
取るに足りないこと、乗り越えられること、自分たち次第でどっちにでも動かしていけること...
泣くに値しないこと、泣いてる時間がもったいないことで済まされるものなのです。



「初戦」は上々、でしょう。
「本番」はもちろんこれからで、残念にも順当にもサイコー!にも流れ得るでしょう。
でも、直接に関係してくる選抜メンバーは視界も定まり乃木坂流を通す覚悟万全でしょう。
「大運営/超運営」は「ルール表」を勝手に書き変えることもできましょうが
むしろ「約1年」を、数えようではたった8、9ヶ月、というとこまで縮めることさえするでしょう。
「こりゃ参ったね。お見逸れしますた!要らんちょっかいゴメンねー」とばかりに
乃木坂への「得」ばかりを置き土産に引き下がる、なんて形にさえなり得るでしょう —
「大運営/超運営」だってカネを損してまで誰かに嫌がらせをしたいわけではないのですから。



第133回『乃木どこ』終盤の次回予告編、
奈々未先生が知ってか知らずか打つことになった例の布石は
早くも今回の「兼任騒ぎ」を乃木坂一流のネタと化す最初の輝かしい笑いとして結実しています。
橋本「何て呼んだらいいですか?」
松井「『松井』って呼んでもいいんだよ?」
橋本「やめてください、ちょっと待ってください(吹きつつ)」
システムだけが批判と嘲笑の的となり、高度な哄笑まで生まれ、人単位でのケンカはなし。
善の種はできるだけ拾って大きく育て、悪の種には何にも与えず枯れるに任せる。
乃木坂に天の理があるを問うのだ。








  

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