何かを手放して そして手にいれる そんな繰り返しカナ? — 乃木坂組はヤワじゃねえ その1

阿鼻叫喚の地獄絵図 —
生駒ちゃん(生駒里奈)のAKB48兼任、SKE48の松井玲奈ちゃんの乃木坂46兼任の発表を受けての
乃木坂ファンの多くの反応はそう呼ぶに相応しいものでしょう。
しばらくは「もうファン辞める!」系の悲痛な叫びが各地(主にウェブ上)に溢れるでしょうね。
「よく謂われる"アンチ"」のみなさんはここぞとばかりに夜を徹しての活動に明け暮れるでしょう。
ファンであるのか、実はそうでないのか — ファンのひとりひとりがファン意識を厳しく問われる中、
発するべきは結局はこの一言に集約されるはず —「乃木坂組はヤワじゃねえ!」
そんなコンセプトからのシリーズ第一弾です。
(他の文案の下に用意してたシリーズ・タイトルなので
 兼任ウンヌンについてはさっさと終わらせますけどね)



生駒ちゃん自身による公的な声明がブログで出て
兼任します。 | 乃木坂46 生駒里奈 公式ブログ
「やはり生駒ちゃんは生駒ちゃん」と思うと同時に
ボクの脳裏に浮かんだのは、YUIの「TOKYO」の歌詞の数節でした。

 「住みなれたこの部屋を 出てゆく日が来た   
  新しい旅だちに まだ戸惑ってる」
 「何かを手放して そして手にいれる そんな繰り返しかな?」
 「つよがりはいつだって 夢に続いてる  
  臆病になったら そこで途切れるよ」
 「窓の外に続いてるこの町は かわらないでと願った
  古いギターをアタシにくれたひと 東京は怖いって言ってた」
 「答えを探すのはもうやめた 間違いだらけでいい」
 「正しいことばかり選べない それくらいわかってる」



YUIの作詞術の最良のコアにある驚異的な部分は、
プライヴェートなことがポピュラー/パブリックなことに、個人的なことがユニヴァーサルなことに
軽々と敷衍されて通用するものに巧まずしてなっているところにあるでしょう。
故郷(福岡)を出て東京の音楽業界(SME)に向かう頃の心情を回想しつつ作られたこの歌詞は、
びっくりするくらい、今回の生駒ちゃんの選択にも
さらには彼女を含む全乃木坂メンバーの2011年夏へのそもそもの心情にも
重ね合わせて適用できる複雑で清冽な味わい深さを持っています。



住み慣れた乃木坂46という大家族、AKB48兼任という新しい旅立ちにまだ戸惑う
やれます、やりますという強がりは、
もしかしたら乃木坂46や生駒里奈を潰してしまうことに繋がるかもしれない
でも臆病になってたら、
乃木坂46にも生駒里奈にもチャンスとなるものを見逃すことになるのかもしれない
見慣れた愛する乃木坂46には変わらないでと願うが、
でも何かが変わる必要もあることだって感じてる
AKBグループやそれにまつわるシステムは怖いって誰もが言ってる、見て知ってもいる
そのどれがホントでどれがウソかなんて自分にも誰にもわからない、決まってることでもない、
だから
   答えを探すのはもうやめた 間違いだらけでいい
   正しいことばかり選べない それくらいわかってる
   何かを手放して そして手にいれる そんな繰り返しかな?



乃木坂46ほど、事あるごとにメンバー自身が「泣かされて」きたグループをボクは知りません。
これまでにも増しての「手酷い裏切り」「無意味な迷走」とも思える今回のこの方針変更も
また多くの困惑や歯ぎしりや涙を生むのでしょう。
あらゆる方面から歓喜と賞讃とポジティヴィティの声が上がった2/22の矢先であればなおさらです。
でも、乃木坂組はヤワじゃねえ。
いくら泣いてもいくら叩きのめされる気分を味わっても
乃木坂メンバー各々がそのたびに立ち上がり直す限りは、何にも「オワって」などないのです。
乃木坂組の一角を占めるファンであるあなたは言わないのですか、「乃木坂組はヤワじゃねえ」と?



 
いわば "今野イズム" の犠牲者となったYUIの
エッセンシャルな初期作品は30年50年後にも聴かれ得る傑作








  

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