さよならアキモティクス、と言えるその日まで その1

※前註
ソースが現時点では確かで詳細なものではないため予後は不可測ながら
「AKBG大組閣」とやらで捨て置けない事象があったため、
急遽、無関係に書き途中だった今エントリを未完のまま放っておきます。
あれが今後どんな影響を呼ぶことになっても、今エントリ趣旨に変わるところはありませんが。
本当ならもう少し先まで進めてポジティヴ方向に進展させた地点でリリースしたいエントリでした。
「あれ」がたとえば「誤報」みたいなものだったらむしろ安堵の苦笑ができるでしょうに...



どういうわけかボクは、
乃木坂46の輝かしく目覚ましい前代未聞の大成功を将来に思い描くとともに
破綻、空中分解、有名無実化、アングラ化、解散等を含めての
寂しく残念な、哀切の涙を催させるようなイヤ〜なエンディング絵図をも思い浮かべてしまいます。
美しいものは、美しければ美しいほど奇跡的で儚く長続きしないものに思えるからでしょうか。
「美人薄命」とか「散ればこそいとど桜はめでたけれ」とかいうヤツですね。
それは何もダークでドラマティックなものである必要さえなく、
単なる「収支」「コスト/ベネフィット」の問題として地味かつシヴィアに
フツーの企業体のフツーの経営行為のごく一部としてやってくるものだったりするでしょう —
端的に言えばソニー・ミュージックレコーズや乃木坂46合同会社やAKSが
「これはもう儲けを生まん、終了しよう」というふうに、あっさりと事後処理に移るような形で。



たとえほんの数十ヶ月でその繁栄期/全盛期が終わったものであっても
そのモノホンの作品自体で栄光が不朽のものであるような —
たとえばYUI、たとえばSPEEDなんかを想う時、ボクはその哀しみを感じずに済みます。
ヒロちゃんをテレビで見かけることがなくなっても
ユイちゃんがFLOWER FLOWER名義で新たに地道に自分の音楽を追究していても
そこには悲しむべきことなんぞなく、感謝と懐かしさ、なんなら続く期待があるのみです。



この先どうなるかはもちろん不定のことながら
「乃木坂46」が自作詞自作曲自演のプロパー音楽グループになることは
少なくとも100%にはないでしょう。
与えられる他人の土台プロダクトに歌声や画を添加して、
それが乃木坂46の音楽商売面での最終プロダクトとなるのですから
ウケるもウケないも売れるも売れないもやっていけるもやっていけないも
「他人のウデ」にあらかた懸かっている —
そうした「アイドル商売」の面は否定しようがない、ですね?



そいつぁあ因果な商売ですよ。
ドッグ・イート・ドッグ。乱戦混線レース。指標とみなせる基準なんかない。
ウケて売れて愛されて応援されて、最高のプロダクト/パフォーマンスでお返しする —
それができてるのかどうか、それはどうやれば可能なのかの判断基準さえないんです。
なんだかんだで「ウケ」りゃあ、
そりゃAKB48のようにあっちでもこっちでも嫌でも目にするようにはなる。
でも、目にしてるからって何にでもかんにでも
一般市民がATMのようにカネを吐き出し続けるわけでもない。
実はいつの間にか、人々は飽きて愛想を尽かしウンザリしてそっぽを向き始めてるんですよね。
プロダクト/パフォーマンスに人を舐め切った粗悪品が混ぜてあったらなおのこと。
そうすると広告主企業体だって持ちつ持たれつのメディア企業体だってそっぽを向くんです。



で、収支ゼロ/マイナスが破綻が撤退が起きた時の「責任」ってやつ。
われわれには与り知れぬところで
そりゃ会社員の誰かが降格されたり減俸されたりもするんでしょうが、
ガツンと目の前真っ暗級のノー、ダメ、ジ・エンドを食らわされるのは当のアイドル本人、と。
「残念だね、だがキミ/キミたちの『アイドル性』ってやつもここまでのものだったようだ、
 この活動は終わり、収支のマイナス回収のためきっちり最後の店じまいセール頑張ってもらうよ」
とでも言わんばかりの
地味でシヴィアな牙がアイドルだった生身の人間を叩きのめすように剥かれるのでしょう。



それはアイドル、とりわけアイドル歌手グループが見せる無尽蔵のハッピネス世界とは相容れない、
おっそろしくハードで醜く人間的なあまりに人間的な、
この世界の仮面の裏のむき出しの姿でしょうね。
アイドルのファンは、ファンであればあるだけ、その無意味な哀しさを憎んで泣くでしょう。
確かにそこに見えていたはずのその世界がまるごと、なかったことのようにされて消え去る —
単なるファンだった人ならまだしも、当のアイドルだった本人にはどれほどの傷の痛みでしょうか。



正直言ってボクは、乃木坂46の個々のメンバー全員に幸せになって欲しいと思ってます。
そして、その「幸せ」の形はどういうものであってもいいんです。
あと2、3年頑張った末
「あれ?わたしこういうの向いてないし好きじゃないかも」みたいに思ったコが
すっと卒業して保育士になったりライターになったりスタイリストになったりパティシエになったり
... それがそのコにとっての新しく見えてきた「幸せ」の形だったら、それはそれでいいと思えます。
でも同時に、それが「芸能界」や「メディア界」みたいなところに少しでも関わる仕事であるならば
それは乃木坂46という場/フォーマットの中でこそやって欲しいとも思います。
条件があまりにも異なりますが、
近くでいえば関ジャニ8、遠くでいえばSMAPのような、
ソロ/グループの緩い連合形態で活動できるような場に乃木坂46が発展していければ、
"漫画家:伊藤万理華、作家:橋本奈々未、コメディアン:高山一実、女優;若月佑美...
等を擁するスーパー・グループ:乃木坂46"
みたいなことだって可能なわけじゃないですか。



ボクが乃木坂46に前代未聞の、未知の無限の可能性を垣間見るのは
彼女たちのサイド/サブ・ワーク — 『乃木坂って、どこ?』やブログで見せてくれる
個人としての趣味・特技・熱中事、個人としての興味・関心・ライフワークが、
フツーでありつつフツーでない —
誰でもやってるわけじゃないがやろうと思えば誰でもやれなくはない、
そういう面から「女の子たちの代表」「女の子たちの夢見る世界の代弁者」たるパワーを
感じさせるからなのです。
「幸いなことに」とは一概に言えるものでもありませんが
7thシングル選抜発表あたりから2014/02/22のセカンド・バースデイ・ライヴあたりへ向けて
乃木坂のいわば「動きのおとなしい」メンバー各々に至るまで
「新しく、より強い前進への決意」の表明みたいなものが次々に見られました。
髪型の変化のような外見上のものから趣味・特技・関心事のよりつぶさな開陳までのそれらは
「わたしをもっと知ってもらいたい、わたしにはもっと持っているものがある」
とでも言わんばかりの
いま、ここで、すぐにでもできることを
「プロ仕事の発表」の場以外でも出していこうという決意の表れでもあるでしょう。
(エントリはここで終わっている)








  

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