満開の桜を見上げて鍋に投げ込まれたひよこ豆の気持ちを想ったことはあったか?


快楽のパラダイス
最悪のシナリオは 世界中にあふれている
さぁ 行き着く所はどこでしょう
ー 深田恭子 「最後の果実」より



さあ!今日はみんな大好き3期生のエントリですよ~

などというネタをあまりカマし過ぎていると
お読みの乃木坂ファン及び乃木ヲタのみなさんの中には
「む?さてはこいつ3期生アンチだな!」などと思われる方もいらっしゃることでしょうが
もちろんそれは誤解です。
泣く泣く見送りはしたものの、かりんちゃん(伊藤かりん)主催の「乃木坂46流行語大賞」に
「みんな大好き山下美月(by向井葉月)」をエントリしようと考えるくらいのボクですからね。
そもそも「運営」が推しに推している3期生ちゃんたちを
嫌うことができるような人なんているわけないじゃありませんか!
みんな大好き3期生!
みんな大好き山下美月!
これは乃木坂ファンであれば、あるいは少なくとも乃木ヲタである限りは
否定しようのないコンセンサスだと言っても過言ではないでしょう。



まあ、そんな誰もが反応に困るようなタチの悪い冗談はこれくらいにしまして。
惜しくも入賞ならなかったこの「みんな大好き美月」、
さらには上乗せしての「正統派アイドルみんな大好き山下美月」、
これらを放った葉月こと向井葉月ちゃんのブログ、そしてその言説の武に
ボクは端倪すべからざる途方もない器を感じました。

立ち乗りのマンボウ。 向井葉月 | 乃木坂46 3期生 公式ブログ
鍋に投げ込まれたひよこ豆の気持ちになってよ!豆腐になりたい。 向井葉 | 乃木坂46 3期生 公式ブログ



明らかに仲良しの同期であり
持ち回りブログの担当日があいうえお順で前・後にある美月(山下美月)にいかなる蛮勇か!!
美月ファンからの困惑・反感、なんならアンチ憎悪を招いてしまっても不思議ではないこの文言ですが
ボクはむしろ、これほどに乃木坂ネスを感じさせるシャレた言説の武を
そうそう3期生のブログに感じたことはありません。
それは一種の自虐ギャグなのか?
はたまた美月へのジェラシー含みのチクリとした皮肉なのか?
おそらくそうではないでしょう。
その無意識に荒ぶる抗う心、なんなら矛先は
「3期生こそ乃木坂の未来!」
「見るなら3期、見るなら4強、他は見なくて結構です!」
とでも言わんばかりの「運営」にこそ向いているのではないでしょうか。
「みんな大好き正統派アイドル!みんな大好き山下美月!」 ー
もし運営が乃木坂ファンであるあなたに、なんなら美月ファンであるあなたにであっても
そんな風にゴリゴリと押し迫ってきたとしたら、あなたは素直にイエスを言って付き従うでしょうか。
乃木坂ファンは乃木坂メンバーの魅力を、個々に各所各所で見出すものであり
大人気の万能の正統派アイドルだからといって
「勝ち馬に乗る」ようにファンになるわけではないですからね。



同時にそれは
葉月ならではの、葉月でこそ分かる美月の内心の葛藤を
楽屋裏、仲良し同士の内輪のジョークとしてイジり合うメタでスリリングな光景をも幻視させます。
「美月は正統派アイドルだからね〜、みんな大好き山下美月!」「やめてよ、も〜w」
みたいな、まるで齋藤飛鳥さんを想わせる含み笑いのネタが繰り広げられているとしたら
そのくすぐったくも危険な笑いの武はどれほどの強度となるか知れません。
真夏さん(秋元真夏)かずみん(高山一実)あるいは尾関スタイルの尾関梨花ちゃんを
自然と連想させる向井葉月ちゃんの武の器が、もしそんな方向にもあったとしたら?
当たり外れはさておいて、ボクはそんな予測のもとに葉月の言動を追っていくでしょう。



『BRODY』2017年10月号のインタヴュー「シンデレラになれなくても。」で
「アイドルって顔とか声とかダンスだけじゃなくて、人間性を好きになってもらわないと続かない」
と語っている美月に、不遜や慢心や侮りを危惧する必要はないでしょう。    ※1
でももし、運営が目論む3期生の推し出し方針が
「キミたちには人間性云々で好きになってもらうような必要はない。
 われわれの用意した華々しい各舞台で、ピュアでやる気があって有能な姿だけを見せ
 最初から満開の桜としてファンを魅了していけばそれで事足りる」
とでもいうようなものであったとしたら?
その延長線上でいつしかリニューアルされた乃木坂46全体の運営方針が功を奏し、その結果
ひたすらに成就!成功!栄誉!数字!売上!記録!が華々しい芸能ニュースとして入ってきて
ファンの多くがその「観ていない」プロダクトの大枠を
祝福の念はありつつもどこか醒めた気持ちで「ふ〜ん」と観流すような日々が来てしまうとしたら?
そんな時にはボクはむしろ、花のない桜を見上げにどこか別のところへ出かけるでしょう。



みなみん(梅澤美波)の打ち払えない諦観をのぞかせるような目にななみん(橋本奈々未)の
あやてぃー(吉田綾乃クリスティー)の幼児性と聖母性を併せ持つような姿にまいまい(深川麻衣)の
幻影をどうしても追ってしまうボクですが、
そうした解釈・推測が大きく外れていようと少しく当たっていようと関係なく
3期生の個々が個々に見せていく未だ見ぬ武の発露を常に待っています。
今になってようやく初めて採りあげた3期生についてのエントリでいきなり
こんなにも長文本当に申し訳ありません...





※1
ー むしろ作っている人は「私、全然作ってないんです〜」って言いますよ。
山下)たしかに(笑)。女優さんやモデルさんだったらやっぱりイメージが大事だけど、アイドルって顔とか声とかダンスだけじゃなくて、人間性を好きになってもらわないと続かないので。







  

  プライバシー ポリシー

コメントの投稿

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブログ内検索
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

乃木坂46関連過去記事
『生ドル』第25回2期生スペシャルに見る中田花奈の無償の愛 (15/06/15)
理知とぽんこつが瞬間瞬間に交錯する、『生ドル』で見せた2期生の武の器 (15/06/02)
愛し愛されて生きることのアート — かなりんの深謀遠慮と知的反射神経 (15/05/11)
愛し愛されて生きることのアート — 『生ドル』第25回に見るかなりんの神算鬼謀 (15/05/02)
2期生全員ではじめてのおつかいがもどかしくも愛おしいこと必至の『生ドル』第25回 (15/04/25)
あーちゃんはまだ2回も変身を残している — 赤ちゃん&お嬢さまな鈴木絢音 (15/04/18)
いつか世界を塗り替えるために — 優しさあれ、となーちゃん&まいまいは寡黙に祈る (15/04/14)
空から降る一億の愛、その誘惑をことわって (15/03/25)
愛に飢えてたら愛すればいいさ — そして飛鳥の奈々未愛はつのる (15/02/25)
愛されるよりも愛したいマジで — そして飛鳥の奈々未愛はつのる (15/02/22)
憧れから対等の関係へ — そして飛鳥の奈々未愛はつのる (15/02/15)
ビームしておくれ、2次元へ、とさゆりんは言うか? — 天然とリアルのはざまで (15/02/06)
ひとときの神々の黄昏 — せんばつは ちからをためている (15/01/30)
愛を乞う人から振りまく人へ — 鳳雛から鳳凰へ、静かに大きく羽ばたく飛鳥 (15/01/01)
ヲタ枠からの腕利きP ー 伊藤かりんの愛と献身(予告編) (14/12/22)
嵐を起こしてすべてを壊すの — 天下を笑わせ飼い馴らす佐々木琴子の愛の嵐 (14/12/02)
嵐を起こしてすべてを壊すの — まっさらの天下を打ち立てる佐々木琴子の天然の武 (14/11/24)
そんなことしか言えなくても — 伝説の京花に捧げる伝道の書 (14/11/10)
天然の皮をかぶった技巧派 — さゆりんの計り知れないお笑い戦術 (14/10/29)
驚くほどこども、驚くほど大人 — 佐々木琴子の理知と情 (14/10/10)
いつか世界を塗り替えるために — 乃木坂お絵描キストは理想郷の夢を見るか (14/09/17)
メンバーにはひたすらの「ありがとう」と「楽しかった」と「がんばって」を、そして「謝らないで」を (14/09/12)
コトコ・コトコ・コトコ!汝、奇襲に遭遇せしや? (14/09/04)
乃木坂派みんなでポジティブポジティブ〜! (14/08/29)
あの日観た『生ドル』の狂躁を君達はまだ知らない (14/08/22)
音がした 未来に思いを巡らせた後 奥深い所でどしりと落ち着く重い音 橋本奈々未の器の音 (14/08/17)
音がした 乃木坂ちゃんの器の音 (14/08/07)
導かれたんだよね、運命だったと思う、と乃木坂ちゃんは言った その2:かなりん編 (14/07/27)
この第2波の強さ これが乃木坂の軍かッ!、とEテレから天下がどよめく (14/07/17)
歌の話者としての存在感を増すまいまいに雄飛の時迫る (14/07/10)
こうして「君の名は希望」に次ぐ必殺の乃木坂ソングが生まれた (14/07/09)
乃木坂の叙情性を体現するムーヴィージェニック:なーちゃんとわか、激しく勇躍す (14/07/06)
最悪の「出」はいつまで (14/07/04)
たおやかな震える手で — まいまいのタフな優しさ (14/06/30)
生駒ちゃんの知らない生駒ちゃんの武器(14/06/21)
のっそり構えて突然に — 佐々木琴子の冷静と情熱のあいだ(14/06/16)
軽やかな自在のリテラシー — 佐々木琴子のおしゃまな知性(14/06/05)
無意識を言い訳にして — いくちゃんとななみんのもたらす理知とナンセンス論理の笑い(14/05/31)
飛ぶ鳥と書いて飛鳥、暴風雨を衝いて飛翔す(14/05/22)
運営は退いた、乃木坂派は勝った(14/05/14)
手を伸ばすことそれ自体の希望と美 — 思春期の表象としてのワカツキ(14/05/01)
「ナナミさん、辞めないでよ(ミサト風に)」と言えるとしたら (14/04/25)
運営よ、戦いは心胆にあるぞ(14/04/18)
浸食しに、と彼女たちは言う — 乃木坂植民地『生ドル』(14/04/13)
置き忘れられるロジック — エンジンなしの暴走機関車:かずみん(14/04/07)
生まれ育ったままで — さよならアキモティクス、と言えるその日まで その2(14/04/01)
みなさんが察していないであろうあしゅ(14/03/22)
強く儚いななみん(14/03/17)
ようつべの一角で「オラに元気を分けてくれ」を叫んだ乃木坂(14/03/11)
冬月流に「勝ったな」、と「気づいたら片想い」MVを観た乃木坂ファンは誰しも呟く(14/03/08)
「チームよねすけ」は幻と消えた — 佐々木琴子の不思議なこだわり(14/02/28)
何かを手放して そして手にいれる そんな繰り返しカナ? — 乃木坂組はヤワじゃねえ その1(14/02/25)
さよならアキモティクス、と言えるその日まで その1(14/02/24)
本人の美意識、他人の美意識、真の美への美意識(14/02/22)
導かれたんだよね、運命だったと思う、と乃木坂ちゃんは言った その1(14/02/16)
なーちゃんセンターに心臓を捧げよ、と生駒ちゃんは言った(14/02/13)
いえ、浸食してるんだわ — 少女世界からの剣、聖なる侵入(14/02/07)
鉄壁を目指した擦り合わせで別物に生まれ変わった『NOGIBINGO!2』(14/02/05)
上がった下がったなんでなんよーという乃木坂ファンの方々へ — ダブル5トップの可能性(14/01/30)
福神なんて飾りです。疎い人にはそれがわからんのですよ(14/01/27)
ライト・ヒア、ライト・ナウ、とゆったんは言った(14/01/25)
苦しく切ないことだらけの思春期の表象としてのワカツキ(14/01/18)
じっくり琴子を煮込んで女優(14/01/13)
ジェネラル・クールの凱旋 — 橋本奈々未、「バレッタ」で覚醒す(14/01/11)
地獄先生ななみん その2(14/01/03)
ちょっと遅れのクリスマス・プレゼント2本、フロム乃木坂(13/12/17)
地獄先生ななみん(13/12/13)
自分を捨てずただ乃木坂に身命を置いた奈々未先生の美はべらぼうに強く清らかだ!(13/12/04)
乃木坂46応援ブログ宣言に代えて(13/11/23)