華のあすか組に俟たれる個の力の乱舞


義か? 大義か?
ああ〜〜 
関さんから流民までみんなが寄ってたかってぶち込みやがるからよぉ
自分じゃ量れねえほどでっけえ義になっちまってる

だがよ まだ大丈夫だぜ
おめえがどれだけでけえ思いをぶつけてこようと
おいらの嚢(ふくろ)にゃまだまだあきがある  (劉備)
—『蒼天航路』その三百二十九 より



2017年8月号『BUBKA』は
「神宮直前! 真夏の36ページ総力特集」を冠した乃木坂46フィーチャー号でしたが、
そこでむしろ天下の耳目を引き期待で沸かせ笑わせたのは
第1スリック部 "坂道ページ" の末尾にこっそり仕込まれた
欅坂46の志田愛佳ちゃんのお戯れインタヴュー企画「モナ王国誕生!!」だったでしょう。
ボクを含めて、ニュートラルかつシヴィア買い物上手な坂道シリーズ・ファンは
BUBKA編集部のツイッター・アカウント @BUBKA_henshuubu による事前の表紙紹介から
あるいは熱のこもった駄目押しの迫撃砲ツイートから    ※1
「OK、最悪でもこのもなのインタがオモロそうだから合わせ技1本で購入決定!」と
背中を押されてる可能性大、でしょう。
各「運営」との擦り合わせの都合もあって「今号は欅にはページを割けない」という時でも
なけなしの目玉担当として「困った時の志田愛佳頼み」が成り立つ —
若く躍動する次代の言説アイドルの器と期待され度とウィン-ウィン関係がそこには窺えます。



このごろ流行りの「乃木さんアンチ流れの欅ちゃんヲタ」でもあるまいに
なぜボクがそんな口はばったいことを言っちゃってるかといえば、
言説アイドルの第一人者:乃木坂46への期待の大きさとその長き小休止への不安から、となります。
タイ国政府観光庁コラボに代表されるように「精鋭メジャー仕事」のグレードをますます上げてゆく、
そして「全体仕事」においても埋められない大バコはもはや存在しない程の乃木坂46。
「遅すぎた罪滅ぼし」よろしく2期生曲&MVの18th登場も発表され
「2期生ライブ」も射程範囲内に、3あるいは4チーム展開も不可能事ではなくなった乃木坂46。
でも、その高速化・大型化に伴い、いわば「振り飛ばされる」メンバーが出てこないとも限りません。
そんな中、ボクのそんな杞憂にも似た危惧を共有している可能性濃いメンバーとして浮かんでくるのは
乃木坂の新たなる若き「硬い殻」:あしゅ(齋藤飛鳥)なのでした。



「グループとして、いまくらいの時期が一番危ないのかもしれない」  ※2
「みんなが集まった時にどういう化学変化を見せるのか。そこが難しくなってきてるんじゃないかなと思う」  ※3
と、最近では『EX大衆』'17年3月号・5月号で語っているあしゅ。
どれがどうとまでは言ってはいないものの
「グループとして」「みんなが集まった時」と来て「危ない」「難しくなってきてる」といえば
乃木坂ファンの多くが、『乃木坂工事中』の長きに亘る「不発」回の連続っぷりを
もしくは『NOGIBINGO!』各シーズンや、なんなら『乃木坂46の「の」』のそれをも
思い浮かべないでいるのが難しい、と胸の内では否めますまい。
そしてそれは、けっして誰・何のせいと一概に決めつけられるものでもないながら
ひとつには、「個の力」の予見されざる誤った使われ方、
もしくは「キャラ」「てい」「フリ〜オチ」の、自然リソース枯渇と人口リソース開発・濫用
が理由にあるでしょう。
取りも直さずそれは
広範でリアルでディープな個の力と関係性ダイナミクスの発掘・発露をさて置いての
手っ取り早く使いやすくも発見の喜びに欠ける「定番頼み」の足踏みが続いている故の蹉跌でしょう。



自画自賛・我田引水の責めを恐れず例を出してみるならば、
たとえ無垢を失っても — 至弱より飛び立ち至強へと羽ばたく鳳凰:飛鳥
たとえ世間を失っても — 天下を増やし更なる「外」へと羽ばたく飛鳥
わざとやってます感の魔術師 — 齋藤飛鳥の粋なアイディア伝染す
無礼講空間の魔術師 — 齋藤飛鳥の愛の合気道承伝さる
と、過去エントリで採りあげた『乃木のの』の各回は
イタズラでイジワルなツッコミ・イジり・お戯れのやれる未央奈(堀未央奈)という新タレントが
あしゅの融通無碍の合気道によって花開いたランドマークと言うべきコンテンツでした。
それは、自然発生的でありのままでリラクシングでありながら同時に高度に満足保証な
アイドルネスの発露・誕生の瞬間の好例だと言えましょう。
「怖くない、ほら怖くない」と「怖いよね、わたしもほんとは怖いんだよ」を両方、
そしてさりげなく出していける、それでいつの間にか人をリードしていけているという
あしゅのキングメイカーっぷりを如実に示す例でもあります。
そして『工事中』に顕著に寄せられるファンの怨嗟の声のコアは主に
「化学変化を見せる」ことの欠乏に向けられたものであるはず。
前回エントリ末でも触れた年少メンバーたちの「作戦会議」にも窺えるように
ヴィジョンとシンパシーとコミュ力の知られざる大家:齋藤飛鳥の水面下の闘いに
深く静かに寄せられる期待と動きは、あながちボクの妄想の産物でもありますまい。



一方でそれはまた、「新たに『チーム』がまたひとつ」に留まるものではなかろうというのが
状況証拠的にも推測されます。
先述の「作戦会議」メンバーの内、
よく知られたあしゅの仲良し:きいちゃん(北野日奈子)いおり(相楽伊織)に比すれば
ひなちま(樋口日奈)はいわば意外な新顔の参画者です。
それは逆説的にこの「作戦」や「会議」が
仲良しによるチーム作りとは一線を画するものであることを窺わせます。
いおりが「真夏さんリスペクト軍団」の一員であることもまた然り。
もしあしゅがその新旧の、広くに亘る仲良しの輪を手繰れば、上記3人に加えて最小限でも
「真夏軍団」から渡辺みり愛、「スイカ」から伊藤純奈、「チューリップ」から高山一実・斉藤ちはる・
能條愛未、無所属の新内眞衣・中元日芽香、等々々々を引き入れることも可能でしょう。
だがおそらくこの会議、あるいは秘密結社、あるいは「華のあすか組」はそういうものではない...



っと、話が拡がりすぎる感があるので続きは次回といたしませう。
でき得れば迫る7/9の18th選抜発表の前までに。


 


※1
17/06/22、23:21のツイート
https://twitter.com/BUBKA_henshuubu/status/877894441247395840
"BUBKA8月号の表紙が解禁!すでに色々話題になっていますが、とりあえず欅坂46ファンは「モナ王国誕生」の歴史的瞬間をお見逃しなく!ちなみにモナ王国は独裁国家です。あと、先に言っておきますが、王国民が誰なのかもこのインタビューで判明します。(坂道担当) #欅坂46 #モナ王国誕生"

※2 
『EX大衆』2017年3月号「似ているふたり。 齋藤飛鳥 寺田蘭世」より
— 21人の選抜は "総力戦" という印象があります。
飛鳥)グループとして、いまくらいの時期が一番危ないのかもしれない。一致団結しなきゃいけない時もあるので、いい方向に持っていけたらいいなと思ってます。

※3
『EX大衆』2017年5月号「表紙連動インタビュー 齋藤飛鳥」より
— 最近、番組や取材で「いま大事な時期なので」と話してますよね。
言ってますね。油断しやすい時期なんじゃないかと思って。
— そうならないように個人個人が気を引き締めなきゃいけない。
いや、個人個人の意識の持ち方はバラつきがあっていいと思うし、そもそもみんなしっかりしてると思うんです。でも、みんなが集まった時にどういう化学変化を見せるのか。そこが難しくなってきてるんじゃないかなと思うんです。単純にメンバーが多くなったこともあって。







  

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