未来はいつだって新たなときめきと出会いの場 — 琴絢に見る乃木坂ちゃんの知的タフネス


何にもわかっていないんだ 自分のことなんて
真実の叫びを聞こう さあ
— 乃木坂46 「君の名は希望」より



乃木坂界隈タームでの「琴絢」というのは
もしかしたら「生生星」「白橋」に負けないくらいに思い入れを持って使われるコンビネーション名で
もちろん琴子(佐々木琴子)&絢音ちゃん(鈴木絢音)のことを指しています。
過去には「琴絢京」もしくは「琴絢米」と、卒業した米徳京花ちゃんを含めての呼称でした。



同学年で元「四姉妹」の1人:蘭世(寺田蘭世)自身の熱い想いにもかかわらず   ※1
「琴絢蘭」を凌いで「琴絢」が頻用されるのは
この2人が並んだ時の何とも説明し難いインパクトの強さ、
そしてそれ以上に、2人にある種通底する人格・人当たり上の静かな強さと頑なさが
飛車角や阿吽や龍虎にも通じるシンボリズム的な据わりの良さを醸し出すゆえに、でもあるでしょう。



ボクを含めたそんな琴絢ファンにとって
16/11/21(22未明)の『NOGIBINGO!7』の「第1回 クイズ ささきとすずき」は
予想どおりの常なる笑いの武に加えて、軽い衝撃と心配の種をも含むものとなっていました。
マイペースで合理主義で低体温の2人とはいえ、ロケ地への車中とカラオケ店内での沈黙のシーンは
「琴絢どうかしたの?」「俺たちの琴絢がぁ〜っ!」みたいな阿鼻叫喚をも招きかねないものでした。



しばらくあっての17/02/18発売『FLASHスペシャル グラビアBEST 2017年早春特大号』で
琴子&絢音ちゃんは対談インタヴュー「2期生の現在とこれから」に臨みます。
本題の筈の「今注目の2人が語る2期生メンバー11人の魅力」をさて措き、
イントロからさりげなくも鋭く水を向けるインタヴュワー氏に琴絢は...

— 2人は最近、それぞれ真夏リスペクト軍団、さゆりんご軍団としての活躍も増えてきましたが、相変わらず謎多きメンバーとしてもよく話題になってますよね。
鈴木)昨年末に『NOGIBINGO!7』(日本テレビ系)で「クイズ ささきとすずき」という企画を組んでいただいたのもあって、へんな人って思われることが多くて。
— 不思議な雰囲気がクローズアップされがちですよね。
佐々木)変わってると思われるんですけど、そんなでもないですよ。
鈴木)私は、あまり話はしないけど、話すことが嫌いではないんです。だから話すとはっきりしゃべるので、イメージと違うねってよく言われますね。
— 2人は仲がいいんですか?
鈴木)琴子とはお互いに地方から出てきて、一緒に寮暮らしをしていました。
佐々木)だから一緒に過ごしてきた時間は長いかな。
鈴木)でも、今はもう別々に暮らし始めたので、それからはあまり会わないよね。
佐々木)今日は「クイズ ささきとすずき」ぶりかな。
鈴木)...久しぶりですね。
佐々木)...ですね(笑)。

笑いドーン!これぞ乃木坂、これぞ琴絢!といういきなりのプログレッシヴでメタなジャブです。
既にこの時点で2人が寮を出ていたというのも確か初出しの驚き情報ですが、
それ以上にこの飾らなさ、繕わなさ、
ファンもアンチも両極で沸きそうな物言いを含み笑いのメタねたとして提示してしまう
怖れ知らずの肝っ玉と知性。
「カップリング」で推されようとも頓着せず、それが幕引きになろうとも頓着しない。
「わたしはわたし」を頑ななまでに通すがゆえに揺るぎない支持を集める2人の武の真骨頂が見えます。



そして、意外やこの流れ、琴絢のほうからもうひと息のダメ押しが...

— と、独特な空気感を持つ2人に、今日は2期生メンバーの魅力を紹介してもらいたいと思っています。
鈴木)私はメンバーとはそんなに絡みがないというか、そもそも関わりも薄いほうなのでうまくできないかも。ふだん遊ぶこともあまりないですし。
佐々木)私も仲良くなって裏切られるのが怖いから、こっちからすごい壁を作っちゃうタイプなんです。すごい嫌われちゃうかもって気にして。だからそんなに語れないかも。
— いきなり前途多難な感じですが、とりあえずやってみましょうか。(後略)

始めてみれば実際にはこの後、理知的な2人の鋭く楽しく新規性に満ちた2期生紹介が続くのですが、
ボクは殊に琴子のこの言に胸を打たれる気持ちがしました。
 仲良くなって裏切られるのが怖い
 こっちからすごい壁を作っちゃうタイプ
 すごい嫌われちゃうかもって気にして
— それはボクがもややんと以前から気になっていた、
そして『乃木坂46時間TV(1)』の「乃木坂電視台 - 琴子のお悩み相談室」で一部確信した
琴子の人当たり・ひととなりに窺えるセンシティヴさのレジュメと言える言説です。
当時のエントリ116でも長々と聴き書きしたのを引用すれば —
琴子「で それで なんか今も この感じだと ふわふわってしてるから
そう ここにかりんちゃんが入ることで 司会が生まれるんです」
花奈「あぁ〜 ごはんに司会が必要だ、と!」
琴子「そうです ごはん... 遊びにも司会が必要です まとめる人が必要なんです」
花奈「意外と しっかりしてるんだね 琴子ちゃん」
琴子「いやいや 失敗したくないので」
花奈「ん? 2人で行ったら 失敗になっ...」
琴子「あ なんか 失敗して なんか関係が悪くなったらヤだなって...」
花奈「そ そうだよね そうだよね じゃあ... ね!今後も仲良くしてください」
琴子「はい じゃあ 今度 3人でごはん行きましょうね」
— 琴子は
せっかく仲良くなりかけた人、仲良くなれそうだと思えた人と
ちょっとした食い違い・行き違いで仲違いしてしまうことを怖がるあまり
それならむしろ自分をフルに出すことは抑え控えて、ゆっくり近しくなっていこう
と考える性格の持ち主なのだと思えます。
ある意味、そういう部分でも似たところがありそうな絢音ちゃんとは
しょっちゅう仲良く遊びに出かけたりはせずとも、通じ合うものがあるのだと思います。



そんな琴子と絢音ちゃんですが、同期2期生に向ける目は鋭く深く温かいものです。
中でもボクが希望と可能性の種を感じたのは、以下のような琴子(&絢音ちゃん)の言。

・いおり(相楽伊織)について
佐々木)伊織は、すごいしゃべりやすいコです。コミュ力が高い。
・まいちゅん(新内眞衣)について
佐々木)面白いコで、メンバーのなかで私がいちばん友達になりたいなってタイプ。ところどころ変わってるっていうか。
鈴木)ちょっと抜けてるところがあるよね。一見、しっかりしてそうな感じがするんですけど、実際はしっかりしなきゃっていうのが空回りしてて。
佐々木)で、焦ってるときがいちばんおもしろいんだよね。
・蘭世について
— 続いて寺田蘭世さんですね。けっこう、熱い発言が多いイメージがありますが。
鈴木)有言実行のコだなって思います。言ったことは必ずやるし、達成させる。
佐々木)マイルールっていうか、自分の意見をちゃんと持ってるっていうか。それで思ってることをたくさん話してくれるんです。
— どんな内容なんですか?
佐々木)えーとなんだろ。大人に媚びても意味はない! みたいな(笑)。そういう話をよく一方的にしてくれます。で、私は思う思う! って言いながら聞いてますね(笑)。
鈴木)私、蘭世は今年来るんじゃないかなって思ってるんですよね。すごく人気が出る気がするんです。

自称「コミュ障」の琴子が、相手のコミュ力と面白さに注目してるのが窺えて興味深いです。
実際寛いだ少人数仕事の場では、琴子はむしろツッコミ鋭い面白がり屋さんなのですよね。
琴子大好きっコで知られる蘭世に対しての絶妙な語り口もさすがです(笑)。



実はこれまでにも数々のデュオ、トリオ売りへの運営のプチ試行を経てきている琴子。
直近ではもちろんさゆりんご軍団の一員としても活躍する琴子。
ところがこの対談インタヴューでの終盤に、絢音ちゃんからの端倪すべからざるエール言説が —
...っと、見切り発車で始めてみたところ予測を超えた長さになりましたので
次回、まだたっぷりみっちり続けましょう。



 


※1
いち例に、『EX大衆』2017年1月号「蘭蘭蘭世の飛龍革命」より
— 最近番組で鈴木絢音さんが注目されていたりして、寺田さんと鈴木さんと佐々木琴子さんの台頭を期待したいところですが。
絢音ちゃんの活躍は自分の頭を使って結果を出したからこそだし、この前、琴子とは2人で真面目な話をしました。加入当初から「頑張ろうね」と話していたし、自分で言うのもなんですけど3人はトータルバランスがいいと思うんです。ここ(頭の中)には佐々木と鈴木と私で、乃木坂46に何か形になるものを残すというビジョンはあります。







  

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