いま乃木さんにできること その2
疾き曹操は疾く待つべし
天下を前に誰よりも疾く休むべし (曹操)
ー『蒼天航路』 その九十 より
前回に引き続いての「その2」、
乃木さんこと乃木坂ちゃんたちが、さらには「運営」が
できること、できるはずのこと、やっておくべきこと、やってみてもらいたいことを
思いつくままに愛のままにわがままにつらつらと
「説教系ファン」よろしく「ダメよアンタ、そんな」とばかりに挙げておきましょう。
看板ラジオ番組『乃木坂46の「の」』は、MC/ゲスト問わず数々のラジオ・スターを産んできた
乃木坂メジャーおもて仕事では十全に表れざるメンバー個々のディープな魅力を提示する
地味なようで実は重要なプロダクト/コンテンツなのですが、
2016年は4月3日の第157回からなんと4クールにわたっての未央奈(堀未央奈)MCが続いています。
3期生の加入を控え、そしてそれを踏まえての2期生重点プッシュの必要性があったにせよ
ただでさえ「出番」のリソース割り振りの厳しいノギザカン・パイの総体を鑑みれば
やり過ぎ・ひっぱり過ぎの感は否めないでしょう。
ソロ外仕事のあるなし・多寡をも併せて見渡してみるなら...
11代めMCは純奈(伊藤純奈)! ってところで手打ちにしましょうや、運営さん!
まいまい(深川麻衣)、ななみん(橋本奈々未)の卒業シングルという必然が続いたこともあって、
メンバーがかねてより端々で公言していた「乃木坂らしさ」という呪縛からの脱却への希求は
ことシングル表題曲では未成就なのが見失われがちです。 ※1
ピアノとストリングスをメインとした、柔らかで涼やかでヒューマンなミドル曲 —
過去の金字塔「君の名は希望」を踏襲しようとするあまり
却ってその水増し再生産の繰り返しになるのでは本末転倒もいいとこですし、
さらには「イメージ保持」のためのフロント顔触れの固定をも招き二重苦三重苦でしょう。
「次世代」とか「世代交代」とかアキモティックで48ライクなクリシェ戦略に縋る以前に
「運営」だとか秋元康大先生総統閣下だとかがやるべきことはいくらでもあるでしょうに。
"楽曲コンセプトに見合ったメンバー選択" とやらは一体どこに消えてそれきりなんでしょうね?
たとえば「月の乃木坂」だとか、「炎の」「熱情の」「氷の」「涙の」乃木坂だとかなら
25才から17才が同等の「演者」として居並ぶ、そんなフロント/選抜だって可能なはずですからね。
いち好例モデルとしてなら「パリピの、夜の、狂える、イケてる」乃木坂として
意味なしハイパネスが謎の痛快カタルシスを呼ぶ「ポピパッパパー」をボクなら挙げときます。
また、「そこまで大胆な手はまだ打てない」というのであれば、せめてもの次善策として
新シングル発売期間の前1月後1月あたりのメジャー歌番組、地方テレビ/ラジオへのプロモ出演での
各カップリング曲披露&推し態勢というものが考えられるでしょう —
「世間一般のみなさん、こういう乃木坂46もあるんです、ご存じでしたか?」ってな調子で。
「既にスルーし、スルーがデフォ」というまだ数千万人はいる層を相手にしようというのであるなら。
アイドル界では前代未聞の瓢箪から駒、乃木坂内バンド:乃木團は
2016年12月9日の『Merry Xmas Show 2016 ~アンダー単独公演~』2日目で
従来からさらに一歩進んで乃木坂メンバーのバック・バンドをも務め、
BSスカパー!での放映で、ライヴを体験できない10倍なりそれ以上のオーディエンスをも相手にし、
よくあるタイプのアトラクションとしての「アイドルによるバンド活動」では片付けられないレヴェルの
スリルと興奮のコンテンツ力を見せつけました。
そのパフォーマンスの価値と意義は、
本来「歌手」であるはずの乃木坂メンバーが音楽の魅力のダイナミクスそのものに改めて向かい合い、
そしてその興奮と緊張感と感動がオーディエンスにも息を呑ませるものとなるところにあるでしょう。
過去には『のぎ天』第44回、45回の台湾ライヴで、2ギター&ヴェテラン・キーボーディストでの
厚みあるアンサンブルで清新かつ充実の演奏を聴かせた乃木團ですが、
らりん(永島聖羅)のキーボード、まいまい(深川麻衣)のギターを失い
ろってぃー(川村真洋)のギター1本、新人まあや(和田まあや)のキーボードでの
4リズム編成には如何ともし難い限界があるはずです。
ところがどうして!
自分たち以外に音を声を発する者はいないというガチでギリの状況が
乃木團&アンダー・チームの死力のフル・スロットルを引き出し
バンドがヴォーカル隊をヴォーカル隊がバンドを煽り煽られの
パフォームする歓びが荒々しく炸裂する未曾有の乃木坂ライヴが現出するのです。
ボク的な白眉シーンは
あしゅ(齋藤飛鳥)のドラムが荒くもタメの効いた轟音ファンクネスで押し切る「生まれたままで」、
そのコーラス前ブレイクの「楽しくて堪らない!」とばかりにクシャ笑顔の純奈(伊藤純奈)でした。
こうした乃木團+乃木坂メンバーの、荒削りな剥き出しのパワーで勝負するパフォーマンスの形は、
乃木坂ホーム内に留まらない様々なスペシャル・イヴェントに神出鬼没に出撃し
「カラオケ・トラックをバックに歌うカワイコちゃん」への反感ゆえにスルーする層をも惹きつける
強力な遊軍ともなり得るでしょう。
曲がりなりにももはや「天下を獲った」感のある乃木坂46。
ですが当の乃木坂メンバーにこそ、危惧・危機感・「これでホントに大丈夫かな?」感が見られます。
そしてそれは鋭く正しい。
少なからずがまだ
ウィン-ウィン関係を目指した企業体による「お呼ばれ」「客寄せ」興行に留まる乃木坂外仕事は
ひとつひとつ1回1回が納得のクオリティゆえに順当な支持を得る理想的な伝道になってはいません。
エントリ118でボクは
「どこを見ても何を見てもなんとか48、そして何にもオモロくない」との強めの言葉で
乃木坂46がこの先逆に陥りかねない最悪の危機の形を幻視していましたが、
それはむしろこれから、いつでも「忘れた頃に」「いつの間にか」起こり得ているものでしょう。
疾き乃木坂は疾く待つべし
天下を前に誰よりも疾く休み、誰よりも疾く圧倒のクオリティを目指すべし
乃木坂らしくあろうがなかろうが、ファンは何よりスペシャルな何かを求めているのです —
乃木坂だからこそできることを。
※1 一例までに
『EX大衆』2016年7月号 「橋本奈々未インタビュー」より
— 観てる側としては、それでも乃木坂に新しい景色を見せてほしいという気持ちは強いです。
どうなんでしょうね。昨年8月の神宮球場のライブのMCで「乃木坂らしさ」について話したんですけど、「自分から言うもんじゃない」という声もあって。個人的にはその意見に同意できる部分があるんです。自分たちから「らしさを模索してます」「らしさに固執してます」と押し出すと、ファンの方たちもそれをよしとする風潮ができてしまう。それに、曲って大事だなと思うんです。『君の名は希望』以降の傾向でピアノイントロの曲が多いと思うんですけど、変にこだわる必要もないと思うんです。
— 自分たちでイメージを固めてしまわないで、もっと観る側に想像の余地を残したほうがいいというのはあるかもしれませんね。
いつもと違うことをやるのは批判がつきものなんだから、やってしまえばいいのにな、と思うことはありますね。
また
『EX大衆』2016年12月号 「乃木坂46の意味」part.1 桜井玲香x生田絵梨花 より
—(前略 桜井玲香の「パリピ化」に関しての流れで)「根はネガティブ」とも話してますよね。
桜井)そうですね。ネガティブもパリピも両方が素なんですよ。乃木坂46はおとなしい子が多いので、その出し方で場が明るくなればいいと思ってます!
生田)分かる!乃木坂46は「おとなしい」「儚い」といわれるけど、そのイメージにとらわれすぎずにほかの面も出していけたらいいなって。
プライバシー ポリシー
天下を前に誰よりも疾く休むべし (曹操)
ー『蒼天航路』 その九十 より
前回に引き続いての「その2」、
乃木さんこと乃木坂ちゃんたちが、さらには「運営」が
できること、できるはずのこと、やっておくべきこと、やってみてもらいたいことを
思いつくままに愛のままにわがままにつらつらと
「説教系ファン」よろしく「ダメよアンタ、そんな」とばかりに挙げておきましょう。
看板ラジオ番組『乃木坂46の「の」』は、MC/ゲスト問わず数々のラジオ・スターを産んできた
乃木坂メジャーおもて仕事では十全に表れざるメンバー個々のディープな魅力を提示する
地味なようで実は重要なプロダクト/コンテンツなのですが、
2016年は4月3日の第157回からなんと4クールにわたっての未央奈(堀未央奈)MCが続いています。
3期生の加入を控え、そしてそれを踏まえての2期生重点プッシュの必要性があったにせよ
ただでさえ「出番」のリソース割り振りの厳しいノギザカン・パイの総体を鑑みれば
やり過ぎ・ひっぱり過ぎの感は否めないでしょう。
ソロ外仕事のあるなし・多寡をも併せて見渡してみるなら...
11代めMCは純奈(伊藤純奈)! ってところで手打ちにしましょうや、運営さん!
まいまい(深川麻衣)、ななみん(橋本奈々未)の卒業シングルという必然が続いたこともあって、
メンバーがかねてより端々で公言していた「乃木坂らしさ」という呪縛からの脱却への希求は
ことシングル表題曲では未成就なのが見失われがちです。 ※1
ピアノとストリングスをメインとした、柔らかで涼やかでヒューマンなミドル曲 —
過去の金字塔「君の名は希望」を踏襲しようとするあまり
却ってその水増し再生産の繰り返しになるのでは本末転倒もいいとこですし、
さらには「イメージ保持」のためのフロント顔触れの固定をも招き二重苦三重苦でしょう。
「次世代」とか「世代交代」とかアキモティックで48ライクなクリシェ戦略に縋る以前に
「運営」だとか秋元康大先生総統閣下だとかがやるべきことはいくらでもあるでしょうに。
"楽曲コンセプトに見合ったメンバー選択" とやらは一体どこに消えてそれきりなんでしょうね?
たとえば「月の乃木坂」だとか、「炎の」「熱情の」「氷の」「涙の」乃木坂だとかなら
25才から17才が同等の「演者」として居並ぶ、そんなフロント/選抜だって可能なはずですからね。
いち好例モデルとしてなら「パリピの、夜の、狂える、イケてる」乃木坂として
意味なしハイパネスが謎の痛快カタルシスを呼ぶ「ポピパッパパー」をボクなら挙げときます。
また、「そこまで大胆な手はまだ打てない」というのであれば、せめてもの次善策として
新シングル発売期間の前1月後1月あたりのメジャー歌番組、地方テレビ/ラジオへのプロモ出演での
各カップリング曲披露&推し態勢というものが考えられるでしょう —
「世間一般のみなさん、こういう乃木坂46もあるんです、ご存じでしたか?」ってな調子で。
「既にスルーし、スルーがデフォ」というまだ数千万人はいる層を相手にしようというのであるなら。
アイドル界では前代未聞の瓢箪から駒、乃木坂内バンド:乃木團は
2016年12月9日の『Merry Xmas Show 2016 ~アンダー単独公演~』2日目で
従来からさらに一歩進んで乃木坂メンバーのバック・バンドをも務め、
BSスカパー!での放映で、ライヴを体験できない10倍なりそれ以上のオーディエンスをも相手にし、
よくあるタイプのアトラクションとしての「アイドルによるバンド活動」では片付けられないレヴェルの
スリルと興奮のコンテンツ力を見せつけました。
そのパフォーマンスの価値と意義は、
本来「歌手」であるはずの乃木坂メンバーが音楽の魅力のダイナミクスそのものに改めて向かい合い、
そしてその興奮と緊張感と感動がオーディエンスにも息を呑ませるものとなるところにあるでしょう。
過去には『のぎ天』第44回、45回の台湾ライヴで、2ギター&ヴェテラン・キーボーディストでの
厚みあるアンサンブルで清新かつ充実の演奏を聴かせた乃木團ですが、
らりん(永島聖羅)のキーボード、まいまい(深川麻衣)のギターを失い
ろってぃー(川村真洋)のギター1本、新人まあや(和田まあや)のキーボードでの
4リズム編成には如何ともし難い限界があるはずです。
ところがどうして!
自分たち以外に音を声を発する者はいないというガチでギリの状況が
乃木團&アンダー・チームの死力のフル・スロットルを引き出し
バンドがヴォーカル隊をヴォーカル隊がバンドを煽り煽られの
パフォームする歓びが荒々しく炸裂する未曾有の乃木坂ライヴが現出するのです。
ボク的な白眉シーンは
あしゅ(齋藤飛鳥)のドラムが荒くもタメの効いた轟音ファンクネスで押し切る「生まれたままで」、
そのコーラス前ブレイクの「楽しくて堪らない!」とばかりにクシャ笑顔の純奈(伊藤純奈)でした。
こうした乃木團+乃木坂メンバーの、荒削りな剥き出しのパワーで勝負するパフォーマンスの形は、
乃木坂ホーム内に留まらない様々なスペシャル・イヴェントに神出鬼没に出撃し
「カラオケ・トラックをバックに歌うカワイコちゃん」への反感ゆえにスルーする層をも惹きつける
強力な遊軍ともなり得るでしょう。
曲がりなりにももはや「天下を獲った」感のある乃木坂46。
ですが当の乃木坂メンバーにこそ、危惧・危機感・「これでホントに大丈夫かな?」感が見られます。
そしてそれは鋭く正しい。
少なからずがまだ
ウィン-ウィン関係を目指した企業体による「お呼ばれ」「客寄せ」興行に留まる乃木坂外仕事は
ひとつひとつ1回1回が納得のクオリティゆえに順当な支持を得る理想的な伝道になってはいません。
エントリ118でボクは
「どこを見ても何を見てもなんとか48、そして何にもオモロくない」との強めの言葉で
乃木坂46がこの先逆に陥りかねない最悪の危機の形を幻視していましたが、
それはむしろこれから、いつでも「忘れた頃に」「いつの間にか」起こり得ているものでしょう。
疾き乃木坂は疾く待つべし
天下を前に誰よりも疾く休み、誰よりも疾く圧倒のクオリティを目指すべし
乃木坂らしくあろうがなかろうが、ファンは何よりスペシャルな何かを求めているのです —
乃木坂だからこそできることを。
※1 一例までに
『EX大衆』2016年7月号 「橋本奈々未インタビュー」より
— 観てる側としては、それでも乃木坂に新しい景色を見せてほしいという気持ちは強いです。
どうなんでしょうね。昨年8月の神宮球場のライブのMCで「乃木坂らしさ」について話したんですけど、「自分から言うもんじゃない」という声もあって。個人的にはその意見に同意できる部分があるんです。自分たちから「らしさを模索してます」「らしさに固執してます」と押し出すと、ファンの方たちもそれをよしとする風潮ができてしまう。それに、曲って大事だなと思うんです。『君の名は希望』以降の傾向でピアノイントロの曲が多いと思うんですけど、変にこだわる必要もないと思うんです。
— 自分たちでイメージを固めてしまわないで、もっと観る側に想像の余地を残したほうがいいというのはあるかもしれませんね。
いつもと違うことをやるのは批判がつきものなんだから、やってしまえばいいのにな、と思うことはありますね。
また
『EX大衆』2016年12月号 「乃木坂46の意味」part.1 桜井玲香x生田絵梨花 より
—(前略 桜井玲香の「パリピ化」に関しての流れで)「根はネガティブ」とも話してますよね。
桜井)そうですね。ネガティブもパリピも両方が素なんですよ。乃木坂46はおとなしい子が多いので、その出し方で場が明るくなればいいと思ってます!
生田)分かる!乃木坂46は「おとなしい」「儚い」といわれるけど、そのイメージにとらわれすぎずにほかの面も出していけたらいいなって。
