いつか世界を塗り替えるために — わか&まりっかの心火とアート


世が変わるということは単に為政者が変わるということか!
玉座の主が入れ替わるということだけか!
そんなものは真の変革とはなんの関係もないぞ!!

この一年の戦いで袁紹軍なるものが充分にわかった
青州兵よ 黄巾の子らよ
天下が本質的に変わることを求めぬ者どもにお前たちの心火をたたきつけろ!!  (曹操)
—『蒼天航路』 その百八十五 より



随分と間が空いてしまったこの「いつか世界を塗り替えるために」シリーズ、
おそらくは今回がめでたく最終エントリとなります。
もう半年か1年かそこら前には書けていたはずの論旨なので
なんだか今更の感にいささか気恥ずかしい想いもありますが、それでもご祝儀・寿ぎ的に。



シリーズ1エントリめにななみん(橋本奈々未)を
2エントリめになーちゃん(西野七瀬)&まいまい(深川麻衣)を採りあげましたが、
今回はわか(若月佑美)&まりっか(伊藤万理華)の絵について。
というより、絵を描かざるを得ない人:わか&まりっかについて、
さらにはその昇華のいち形態としての2人の女優業への出立について、です。



テクニカルにはまさに万能、望まれるままに如何様にも、の多彩な画風を持つまりっかと
抽象画/デザイン画というフォーマットにどこか自分を限定的に律してる感のあるわか。
でもボクは、この2人の心奥には共通するある種の激しさがあると思っています。
ごくたまに象徴的にその絵に映されることもあるその激しさは
怒り・悔しさ・餓え渇き・嫉妬・自暴自棄・破滅願望・絶望などをも含む
ヒリヒリザラザラした感触を持つ、上手い下手だけでは量れない
止むに止まれぬ産物としての「アート」を如実に感じさせるものでした。
ブログその他のウェブ・ページをソースとして挙げるのも今更なのでやめときますが、
2人のファンならそのいくつかを想い起こすのは簡単でしょう。
ボク的には
まりっかの風に崩れ去る蝶の絵、
わかの泣きはらした後の平静を想わせるイスラム文様調デザイン画を
URLを探るまでもなく、今でも脳裏に浮かべられます。



いつの頃からか、というよりポツンポツンと単発が重なっていき
2人はそれぞれに絵&芝居のお仕事/発表の場を増やしていきました。
それに連れてか、「声なき声」「言葉にならない言葉」としての絵を以ての
ブログでのメセッジ・イン・ナ・ボトル的発信は減っていったように感じられましたが、
反対にわかもまりっかも
そのものズバリの言葉によってその胸の裡を表すことは増えていったと思います。
その内でも当時殊に印象深かったのは2014年4月のまりっか、同年6月のわかの以下のエントリ。

張り切って悩む。560 回目| 乃木坂46 伊藤万理華 公式ブログ より
「ここからは8th特典映像について!
 ◇Type-C「乃木坂の4人」
 さゆりんなーちゃんひなちま私に
 スポットを当てたドキュメンタリー」
「あと、改めて感じたのは
 自分は本当に鬱陶しいやつだなと。
 そういう自分があまりにも情けなくて
 泣くことがたくさんありました。
 なんでできないんだろうと
 自分にいらいらしてしまう
 こともありました。
 余裕の無さとか。」
「みんななんでこんなに
 良い子なんだろう
 その分自分は言いたいことを
 何も考えず言ってしまうことがあって
 反省することがたくさんあります。」
「いろんな感情に溢れていました。
 喜怒哀楽以上の深い感情。
 なんと言ったらわからない
 気持ちにもなりました。
 初めてでした。」
「様々な課題を出されて
 何度も苦戦しましたが、
 そこから湧き出る感情が
 今まで感じたことが
 なかったものでした。」
「こんな自分がいたんだ
 って気づいた時、なぜかそれが
 すごく心地良くて、楽しかった。」

今日お誕生日の皆さんおめで とう。| 乃木坂46 若月佑美 公式ブログ より
「今年で3年。」
「私の誕生日は二つあります。」
「この世に私が生まれた日と
 もう一つは
 もう一度生まれ変わりたいと決意して
 入った乃木坂46が誕生した日です。」
「不器用だし
 暑苦しいし
 笑顔下手くそだし
 ブログもくどいし(笑)
 いっぱいいっぱい皆さんに
 頼ってしまっている私だけど、
 もっともっと頑張ります。だから
 よかったらこれからも
 ずっとよろしくお願いします。
 一緒に夢追いかけてもらえませんか?」



この両エントリに限らず、わか&まりっかは種々の言説フィールドでの端々で
"自分は普通の人、のみならず他のコより劣った、ダメダメな性根を持つ情けない存在"という類いの
内省・改悛・自己批判・告白と気付きを陰に陽にさらけ出していることがままありました。
ワカツキストやマリッカーはそうした内心の吐露をも含めてなお2人を愛おしく思ってきたわけですが
それでもその愛おしみの総体が
アンチ感情の総体&「運営」の扱いに
いわば「敵わないで負けてる」ように見えて遣る瀬がない、という時期があったのも否めないでしょう。
でもわか&まりっかはめげず腐らず八つ当たりや憂さ晴らしに走らず
こつこつと静かにひっそりと着々と、乃木坂46とは無関係な私生活においても
その生来のアーティスト気質に則り、見えざる舞台裏での見え難い自己錬磨を休むことはなかった。
それが結局は出逢う人出逢う人、出逢う度出逢う度ごとに関心・好感・引きあい・オファーを呼び
MVであれ舞台であれ映画であれ雑誌連載であれ
内外の実績・評価・フィールド拡大に繋がったものと思われます。
ボク自身は元々「舞台」というフォーマットが好きでなく、また「映画は映画として観る」派なので
2人の活躍をまだロクに観てもいないし、この先観るのがいつになるかは知れませんが、
それでもわか&まりっかが、その心火を演技に、ペンや筆でなく自身の身体と声でもって
叩きつける姿は容易に想像できます。
超克した者の強さとシャレっけを同時に感じさせる
まりっかの「サブカル中二病」発言や       ※1
わかの「ポエム」ネタの数々にも         ※2
もうアンチがうだうだ言ってくるしょーもない文句なんかには惑わされない、という
堅く、かつしなやかな意志が窺えました。
おそらくいまやこの2人は、誰も想像していなかった回り道を経て不動の自分の途を見出だしたのであり
そのスタンス、ポジション、アティチュードはある意味乃木坂46の内でも頭抜けて強固で手堅い。
乃木坂46の「トップ・ランナー」「花形選手」というわけでもない2人の、このブレのない強さは
逆説的かつ両面作戦的に乃木坂46の総合的な力とポテンシャルを
未来に向けても強力に物語っていると言えるでしょう。



そうして知った痛みが 未だに僕を支えている
ー BUMP OF CHICKEN 「天体観測」より



痛みをバネに、痛みの記憶をけっして捨て去れない自分自身の部分として受けとめ、戦っていくのは
乃木坂46が真の意味での「国民的アイドル」たる根本的な存在意義でしょう。
もしかしたらそんな大それた意義や期待のおっ被せは
当のメンバーたちには重荷や苦痛や迷惑ですらあるかもしれませんが。
そしてボクは今、とあるメンバーの見え難い煩悶、あるいは諦念・倦怠が心配でなりません。
次回予告、はやめておきますが、その辺をじきに小出しに、願わくは昇華した形で。



  


※1
『月刊エンタメ』2015年4月号 伊藤万理華x齋藤飛鳥「葛藤の先にある未来」 より
— 今野義雄さんは乃木坂46の立ち上げにあたって「文化の匂いも入れていきたい」と語っていたので、そういう意味では万理華さんのセンターはアリだと思います。
万理華)私じゃ濃すぎますよ。「サブカル中二病がセンターに来たぞ」と思われちゃう(笑)。

※2
2015.12.31 | 乃木坂46 若月佑美 公式ブログ
「年末ブログということで多少
 ポエムると思いますがご了承ください。笑」
Name. | 乃木坂46 若月佑美 公式ブログ
「おっと、またいつものポ...」
オシャポはお洒落ポエムじゃないって!お洒落ポイントや!ま ぁ、それでも有りか。 | 乃木坂46 若月佑美 公式ブログ
タイトル出落ち
など








  

  プライバシー ポリシー

コメントの投稿

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブログ内検索
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

乃木坂46関連過去記事
『生ドル』第25回2期生スペシャルに見る中田花奈の無償の愛 (15/06/15)
理知とぽんこつが瞬間瞬間に交錯する、『生ドル』で見せた2期生の武の器 (15/06/02)
愛し愛されて生きることのアート — かなりんの深謀遠慮と知的反射神経 (15/05/11)
愛し愛されて生きることのアート — 『生ドル』第25回に見るかなりんの神算鬼謀 (15/05/02)
2期生全員ではじめてのおつかいがもどかしくも愛おしいこと必至の『生ドル』第25回 (15/04/25)
あーちゃんはまだ2回も変身を残している — 赤ちゃん&お嬢さまな鈴木絢音 (15/04/18)
いつか世界を塗り替えるために — 優しさあれ、となーちゃん&まいまいは寡黙に祈る (15/04/14)
空から降る一億の愛、その誘惑をことわって (15/03/25)
愛に飢えてたら愛すればいいさ — そして飛鳥の奈々未愛はつのる (15/02/25)
愛されるよりも愛したいマジで — そして飛鳥の奈々未愛はつのる (15/02/22)
憧れから対等の関係へ — そして飛鳥の奈々未愛はつのる (15/02/15)
ビームしておくれ、2次元へ、とさゆりんは言うか? — 天然とリアルのはざまで (15/02/06)
ひとときの神々の黄昏 — せんばつは ちからをためている (15/01/30)
愛を乞う人から振りまく人へ — 鳳雛から鳳凰へ、静かに大きく羽ばたく飛鳥 (15/01/01)
ヲタ枠からの腕利きP ー 伊藤かりんの愛と献身(予告編) (14/12/22)
嵐を起こしてすべてを壊すの — 天下を笑わせ飼い馴らす佐々木琴子の愛の嵐 (14/12/02)
嵐を起こしてすべてを壊すの — まっさらの天下を打ち立てる佐々木琴子の天然の武 (14/11/24)
そんなことしか言えなくても — 伝説の京花に捧げる伝道の書 (14/11/10)
天然の皮をかぶった技巧派 — さゆりんの計り知れないお笑い戦術 (14/10/29)
驚くほどこども、驚くほど大人 — 佐々木琴子の理知と情 (14/10/10)
いつか世界を塗り替えるために — 乃木坂お絵描キストは理想郷の夢を見るか (14/09/17)
メンバーにはひたすらの「ありがとう」と「楽しかった」と「がんばって」を、そして「謝らないで」を (14/09/12)
コトコ・コトコ・コトコ!汝、奇襲に遭遇せしや? (14/09/04)
乃木坂派みんなでポジティブポジティブ〜! (14/08/29)
あの日観た『生ドル』の狂躁を君達はまだ知らない (14/08/22)
音がした 未来に思いを巡らせた後 奥深い所でどしりと落ち着く重い音 橋本奈々未の器の音 (14/08/17)
音がした 乃木坂ちゃんの器の音 (14/08/07)
導かれたんだよね、運命だったと思う、と乃木坂ちゃんは言った その2:かなりん編 (14/07/27)
この第2波の強さ これが乃木坂の軍かッ!、とEテレから天下がどよめく (14/07/17)
歌の話者としての存在感を増すまいまいに雄飛の時迫る (14/07/10)
こうして「君の名は希望」に次ぐ必殺の乃木坂ソングが生まれた (14/07/09)
乃木坂の叙情性を体現するムーヴィージェニック:なーちゃんとわか、激しく勇躍す (14/07/06)
最悪の「出」はいつまで (14/07/04)
たおやかな震える手で — まいまいのタフな優しさ (14/06/30)
生駒ちゃんの知らない生駒ちゃんの武器(14/06/21)
のっそり構えて突然に — 佐々木琴子の冷静と情熱のあいだ(14/06/16)
軽やかな自在のリテラシー — 佐々木琴子のおしゃまな知性(14/06/05)
無意識を言い訳にして — いくちゃんとななみんのもたらす理知とナンセンス論理の笑い(14/05/31)
飛ぶ鳥と書いて飛鳥、暴風雨を衝いて飛翔す(14/05/22)
運営は退いた、乃木坂派は勝った(14/05/14)
手を伸ばすことそれ自体の希望と美 — 思春期の表象としてのワカツキ(14/05/01)
「ナナミさん、辞めないでよ(ミサト風に)」と言えるとしたら (14/04/25)
運営よ、戦いは心胆にあるぞ(14/04/18)
浸食しに、と彼女たちは言う — 乃木坂植民地『生ドル』(14/04/13)
置き忘れられるロジック — エンジンなしの暴走機関車:かずみん(14/04/07)
生まれ育ったままで — さよならアキモティクス、と言えるその日まで その2(14/04/01)
みなさんが察していないであろうあしゅ(14/03/22)
強く儚いななみん(14/03/17)
ようつべの一角で「オラに元気を分けてくれ」を叫んだ乃木坂(14/03/11)
冬月流に「勝ったな」、と「気づいたら片想い」MVを観た乃木坂ファンは誰しも呟く(14/03/08)
「チームよねすけ」は幻と消えた — 佐々木琴子の不思議なこだわり(14/02/28)
何かを手放して そして手にいれる そんな繰り返しカナ? — 乃木坂組はヤワじゃねえ その1(14/02/25)
さよならアキモティクス、と言えるその日まで その1(14/02/24)
本人の美意識、他人の美意識、真の美への美意識(14/02/22)
導かれたんだよね、運命だったと思う、と乃木坂ちゃんは言った その1(14/02/16)
なーちゃんセンターに心臓を捧げよ、と生駒ちゃんは言った(14/02/13)
いえ、浸食してるんだわ — 少女世界からの剣、聖なる侵入(14/02/07)
鉄壁を目指した擦り合わせで別物に生まれ変わった『NOGIBINGO!2』(14/02/05)
上がった下がったなんでなんよーという乃木坂ファンの方々へ — ダブル5トップの可能性(14/01/30)
福神なんて飾りです。疎い人にはそれがわからんのですよ(14/01/27)
ライト・ヒア、ライト・ナウ、とゆったんは言った(14/01/25)
苦しく切ないことだらけの思春期の表象としてのワカツキ(14/01/18)
じっくり琴子を煮込んで女優(14/01/13)
ジェネラル・クールの凱旋 — 橋本奈々未、「バレッタ」で覚醒す(14/01/11)
地獄先生ななみん その2(14/01/03)
ちょっと遅れのクリスマス・プレゼント2本、フロム乃木坂(13/12/17)
地獄先生ななみん(13/12/13)
自分を捨てずただ乃木坂に身命を置いた奈々未先生の美はべらぼうに強く清らかだ!(13/12/04)
乃木坂46応援ブログ宣言に代えて(13/11/23)