乃木坂メンバーの『SHOWROOM』配信に見る限界と可能性


敗北にこそ才が必要だ
敗戦の中で何をどれだけ見いだすことができるのか!?
”歴戦”の価値はその能力で決まる!
おまえこそその範ではないか 新司令官 張郃!

おのれを雄大な絵柄の緻密な織物とみなせ!
その将器に一戦一戦を入念に織り込み生涯をかけて仕上げるのだ!  (曹操)
—『蒼天航路』その三百七十 より



去る8月6日、乃木坂46のひめたん(中元日芽香)の卒業が
ラジオのレギュラー番組『らじらー! サンデー』でご本人の言葉で発表されました。
口さがない哀れな人々のないことないことは嘲笑と侮蔑の下に捨て置き
ひめたん自身の発信を典拠にその決断と出立を寿ぐのが
サヨナラに強くなった乃木坂ファンのあるべき態度でしょう。
明くる8月7日のひめたんのブログ —
お知らせ | 乃木坂46 中元日芽香 公式ブログ
— にボクは、ひめたんのアイドルたることを貫き通す矜持と人間としての誠実さを感じます。

「自分のポジションとか、年齢とか、
 これからやりたいこととか、
 いろんなことを考えての決断です。」
「側から見たら私はまだまだだと思うし
 あとちょっとのとこでコケるし
 色々と惜しいやつかもしれませんが」
「私としてはもう満足。
 これからはひっそりと生きていきたいです。」
「加入から6年間、
 私をアイドルにして下さったのは
 他でもなく皆さんです。」

「私、アイドルとして
 優秀ではなかったと思うんですね。」
「なかなか結果は出さないし
 メディアにも頻繁に出るわけでもないし
 見ていてモヤモヤする方も
 沢山いらっしゃったのではないかなと。」
「それでも、皆さん凄く熱心に
 応援して下さって何度も救われました。」
「ブログのコメントを読んで
 涙を流す日も何度もありました。」
「こんな私なんかのために
 沢山沢山尽くして下さって
 本当にありがとうございました。」

アイドルであることの要件として
「成功していること」「メジャーであること」「押しも押されもせぬ存在であること」を挙げるならば
なるほどひめたんは「アイドルとして優秀ではなかった」と言えなくもないでしょう。
でも、ひめたんファンはひめたんを、大人気メジャー・アイドルである他の誰かと比べた上で
「いまいちアイドルとして優秀ではない」「知名度からしてまだまだ一流アイドルとは言い難い」
などと考えていたわけではありますまい。
ひめたんの在り方のすべてが自分にとっては完璧なアイドルネスの具現化だった、という人こそが
ひめたんをアイドルたらしめたのでしょうし、
「私をアイドルにして下さったのは他でもなく皆さんです」というひめたんの言は
そのことへの理解を十分に言い表し果せています。

「ひめたんの卒業の本当の理由」 — そんなまことしやかなアンチ言説が
しばらくはまた意気地なしな暴力ポルノ中毒者たちによってアンダーグラウンドを賑わすでしょうが、
ボクは、17/04/01のひめたんのブログにこそ「本当のところ」は既に表されていると思います。

ひめたん-0o0-その695 | 乃木坂46 中元日芽香 公式ブログ
「体調不良って結局何ぞや!と
 正直思ってると思います
 友人からもたくさん聞かれました。笑」
「私自身は皆さんが安心して下さるなら
 報告しても構わないのですが、」
「忘れた頃に言うかもしれないし
 忘れたまま卒業して何年か経ってから
 あ!ってなるかもしれませんし。」
「なので皆さんはあまり深く考えず
 アイドルとしての私を求めていただけたら
 幸せです。夢は見てナンボですからね。」

病気に関する情報というものは時にものすごくプライヴェートなものになり得るし、
ましてや「アイドル」や有名人がそれを告白する際には
その「芸能活動」「芸事」とはまったく無関係な領域で
なんなら「感動的に」取り沙汰されることにもなりかねないものです。
アイドルであることと自分の病気に何らの関連づけも必要としない —
それはひめたんのアイドル・ヴィジョンに依拠する譲れない矜持の一線なのだと思います。

一方でファンは、彼女の強い志望のひとつにアナウンサー/ナレーターがあったことも知っています。
「芸能界も引退して、暫くはゆっくり静養するつもりでいます」
「これからはひっそりと生きていきたいです」
と仰るひめたんですが、この先再スタートが切れた暁には
遠慮なくそうした道 —
「芸能界」と遠からずも、同時に実務者・プロであるような道へと進んでくれてもいいと思います。
それはひめたんイチ推しファンも、その他の乃木坂ファンも双手を挙げて祝福できる道でしょうから。


--------------------------------キリトリ--------------------------------


どうしてもリードが長くなってしまいましたが、
タイトルに冠した腹案だった元々のエントリ案に舵を切り直しまして —



ある程度は「運営」の織り込み済みだったのか、それでもある程度は急遽の苦肉の策だったのか、
そのひめたんの『らじらー! 』とのバッティングをすんでのところで回避しつつ
逆に驚きの賞讃を喚んだ『SHOWROOM』配信がありました。
同日20:30開始の予定を大幅に遅らせ21:56開始のわずか13分半、
ちょうど『らじらー! 』のニュース・気象情報による中断の間だけの配信というピンスポット投入の
みなみん(梅澤美波)のSHOWROOM配信。
華々しい晴れの大舞台『TOKYO IDOL FESTIVAL』出演後に駆けつけ
先輩ひめたんの卒業発表に不可避的に触れ
回線容量の問題かモザイク状に低下した画質へのコメントに戸惑いつつもめげず慌てず
22:10の『らじらー! 』再開へと視聴者を誘導してバイバイ、と
堂々たる乗り切りっぷり。
3期生の最終ダメ押し確認審査をはじめに、既に個人配信をも経験済みとはいえ
突発事項だらけのこの配信を、にこやかに軽やかにかつ自分らしく乗り切ったみなみんの武は
さすが3期生の隠れ最年長と謂われるだけのことはあるものでした。



一方で
この『SHOWROOM(以下、SR)』というフォーマットに不慣れ 及び/もしくは 向いてないために、
またこの企画/仕事自体が自発的・自主的なものとはほど遠い、運営とSR側からのタスクであるために、
何のため誰のための配信であるのか、いったいそのメンバーに益があるのか、と疑問視せざるを得ない
イマイチイマニな配信も見られます。
本来ならば、あるいは運営が本来的なウリと謳っているとおりならば
やりたいメンバーは好きな時に好きなだけやり、
そうでないメンバーは本当に気が向いた時だけ
思うままに自由に何のタスクも課されないままに最小限の時間/機会だけやる、というのが
メンバーにもファンにも未ファンの一般視聴者にも乃木坂46全体にも望ましいコンテンツとなるための
理想的な施行理念でしょう。
現状では、運営とSRの企業体タッグによる課金ビジネスとデモンストレーション/ディスプレイ消費の
幸福ならざる哀しき結婚に留まり、
「乃木坂46をもっともっと、すべての人にたっぷりと、かつ濃厚に」という
更なる勝利への望ましい「出」とはなっていません。
このSR、あるいはその個人配信が、TVやラジオや従来のPPV/ウェブ放送やでの乃木坂不足を補完し
更には拡充・発展展開をも目指すものであるのなら
まずは運営こそが
某巨大グループや数多のこじんまりビジネスとは一線を画すコンテンツ理念を確立すべきでしょう。



う〜ん 難しいね〜 まとまらなかった ©高山一実
乃木坂46が始動する前から『ニコニコ生放送』の「リスナー」であったボクは
そして今は亡き2期生/研究生の初の看板SR番組『乃木けん♡』の悲劇を目撃していたボクは
まだまだこの程度では到底まとまらないSRへの危惧と不信感を抱えています。
「ダメ出し」ばかりのエントリというのは自分でも不本意なものなので
望むらくはポジティヴ面への期待をも含んだ続エントリを、できれば近い内に。







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Author:jeunesfilles
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